「どっきりさせたいのか??
それなら俺、手伝うよ!!!!」

拓人の表情は真剣そのものなのに。
拓人は冗談を言う時や、嘘をつく時はすぐ顔に出る奴だって分かってるはずなのに。

信じれなかったんだ。


「そんなんじゃない!!!
俺・・・春姫ちゃんのこと幸せに出来ないんだよ。
自信がないんだ・・・」


拓人は泣いていた。
俺は言葉につまった。


「俺なんかより春姫ちゃんのこと、幸せに出来る人が現れるよ・・・」


何も言えなかった。
拓人のそんな顔、初めてみたから。

一番昔からそばにいる俺が、初めて見た顔だったから。


拓人じゃない奴なら、思いっきり言ってやってる。
でも・・・拓人には何も言えない。


「じゃぁ・・・こんなこと頼んでごめんな」


なんで死んだことにするんだ??
なんで自信をなくした??

聞きたいことはいっぱいあるのに、俺の口は動かない。


頷くことが精一杯だったんだ。