それは、火曜日の3限目と、木曜日の5限目。
サイトウ先生の数学の授業の時だ。
サイトウ先生に“タマキくん”と呼ばれた時の君は
何だかとても嬉しそうだった。
そして、その後に問題に答える君も
何だかとても、嬉しそうだったの。
初めのうちは、それも君が真剣に授業を受けているからだと思っていたけど……。
ずっと君を見ていたから
あまりにも眩しい君がいることに、気付いちゃった。
そして、それに気付いたあたしは
もう眩しくて、痛くて、君から眼をそらしたくなった。
でも、あたしはこの席を動くことができない。
だから、視線もこのまま。
君へまっすぐに、のびたまま。