“恋”という言葉は、割といつも身近にあった。 あたしの席からは、このクラス全体がよく見渡せたし みんなの声がよく聞こえるから。 でもこの言葉は あたしの一番近くにあって、あたしから一番遠い。 あたしとは無縁。 そう思っていたから…… そう思っていたけど…… それは突然、あたしの前に降りてきたの。 「起立、礼、着席」 いつもの挨拶。いつもの風景。 今日もあたしの、いつもの毎日が始まった。