「茶化さないでください、本気で心配――」 と、熱い抱擁をくらった。 「大丈夫、大丈夫。彩芭のために受けた痛みなんてこれっぽっちも痛まない。逆に誇らしい。この傷は彩芭を守った証だって」 「クルキさん……」 抱擁を受け入れる。 しばらくはそうしていた。