何故か、クルキさんの背中をばんばん叩きだした。


ちょっ、とか言ってももう遅い。別段、クルキさんは気にしていないようだが。


「いいねー、わけえのは!青春しろよーっ」


相当酔っているらしい。酒の匂いが不快に感じられた。


ついで、私まで背中をばんばんと叩かれたし。


痛いなー、もう。


これはちょっと文句でも言おうかなと思った。


――時、だった。


「ぎっ」


豚の悲鳴。
私にはそう聞こえた。

けど豚なんかいない。いたのは、横たわる赤松さん。