「周りはそうでも、俺たちは違うよね」
「はい」
彼の背中に手を置く。
「周りの下等者と君は違う。俺と別れたりしないよね」
「はい」
強く、抱き締める。
「良かった、それが聞きたかった。なら俺たちはずっと一緒だ。生きるのも死ぬのも」
「はい」
彼が唇を近づける。
「生きるときは離れないでいよう、死ぬときは手を繋いでいよう。どちらも互いに思える形で、いつだって互いを必要とする形を保ち続けようね」
「はい」
誓いの口づけともとれる行いは、儀式のように神聖に思えた。
絡まった指。
重なった口。
幸せを感じる。
私にはこの人しか要らないように、クルキさんもまた私しか要らないのだろう。
幸せに酔いしれてしまう。そのまま天昇でもしてしまいそうだった。