｢今日は誘ってくれてありがとうございます｣


｢おかしいな、来てもらった俺がありがとうと言いたいのに｣


｢そ、そうですかね｣


｢ああ、本当に。藤堂さんとはきちんとお話したいと思ったから｣


笑顔が眩しい。

黒が白になってしまうほど清らかだ。


やがて、私のコーヒーが届く。私はミルクと砂糖を一杯ずつ入れて。


｢使う？｣


｢え……じゃあ｣


栂さんから貰ったミルクと砂糖。ミルクだけをもう一つ入れた。


栂さんのおかげで一番飲みやすく感じる味になったコーヒー。


というか、指先が震えるぐらいに緊張していることを知る。かちゃんと皿の上に大きな音を立てて置いてしまった。


マナー悪いな、自分。