あたしの好きな人は
春くん。物心ついたとき
からずーっと春くんしか
見てない気がする。

「なぁ、春。進路決まった?」

「あ、まぁ。」

春くんは苦笑いをした。

「どこ行くの?」

あたしが春くんに聞くと

「東京かな。」

また苦笑いしながら言った。

「「え!?」」

「だから、東京。」

高1の冬。あたしに
人生最大の危機到来。


学校につくまでずっと
春くんがどうなるか
あたしはどうすれば
いいのか。それしか
考えてなかった。

「おい、瑠璃。」

「えっ!?」

「着いたぞ。」

進也の声で学校に着いた
ことに気付いた。


「じゃあ、また帰りな。」

春くんはそう言って笑顔で
去って行った。

「ねぇ、進也。春くん本当に
東京行っちゃうのかな?」

「さぁ?行くって言ってん
だから行くんじゃない?」

進也は寂しくないのかな?

あたしは凄く寂しいよ。

教室に着くといつもの
メンバーがいた。

「あ、進也と瑠璃じゃん!」

この子は小柳美優。
お姉ちゃんキャラ。


「おはよう!瑠璃、進也。」

これは木村聡。
超明るいキャラ。