「ねぇねぇ、君」


背後から声を掛けられ、少し肩が跳ねた。


「そう、君。そしてそこの変なキーホルダーを持った女の子も」


「変っ?!」


……あーあ。
はっきり言ってくれちゃって。


「名前、教えてよ。俺は、工藤郁哉。こいつの従兄弟」


『いと…?』


あぁ…どうりで似てるはずだ。


「あ…あたしは、葉山祈沙です」


緊張気味に話す祈沙。

その名前に、工藤…優衛は、小さな反応を示した。