―――え?


『いや…去年の冬に、迷子になってたあたしを…』


「…しつこいな…知らないっつってんだろ。話し掛けんな、ブス」


………………


「おい。お前、調子のんなよ?」


『いいよ、剣悟くん…』


「でもコイツ…ブスって…」


『いいよ。あたし、ブスだから』


「そんな…」


あたしは笑顔を浮かべた。

――泣きそうな気持ちを、必死で隠すように…