「きさちゃぁん……」


腰まで伸びた髪を結っていると、後ろから名前を呼ばれた。


『蓮くん、おはよう。どうしたの?』


蓮くんは、眠そうに目をこすってあたしを見ていた。


「トイレ~」


…あ。
そっか。

蓮くん、来たばかりだもんね。


『よし。一緒に行こうか』


あたしは蓮くんの小さな手を握った。