中に入っていいの?


私は構えたまま、ドアの前に立ち尽くしていた。



出掛けてるし…入ったら不法侵入じゃない?

私は考えたすえ、中に入ることにした。


「ちょっとくらい覗いてもいいよね?せっかく唯斗さんとの時間潰してまで来たんだから…」



鍵を差し込むと、アッサリドアは開いた。


ゴクン。と唾を飲み込み、中へと足を踏み入れる。




きちんと並べられた難しい本。


テーブルにはコーヒーカップがぽつんと置かれているだけだった。

「生活感が感じられない部屋ね。」


私はふぅと溜め息をつくと、置かれた写真立てに気が付いた。


その中には微笑んでいる綺麗な女の人が写ってある。


…誰だろう。



写真に近付こうとした時。


ゴツン。




「きゃ…!」


私は何かに躓いて転びそうになった。


何かに躓いた?


下に顔を向けると、優作が倒れていた。


「えっ!?優作さん!?」


なんで倒れてるの!?

私は急いで優作を抱き起こすが、優作は起きない。


「…熱い…。」



優作の手を肩にかけると、ベッドまで運ぶ。


……優作さん…



私は髪を結ぶと、キッチンへと向かった。