『うーん…。ペット禁止のアパートだから、無理なんですよ。』



本当に残念そうだ。




『大丈夫ですよ。遊んでやって下さい。』



『えっ、いいんですか?』



彼女は輝く笑顔で、中に入っていく。




一匹の子犬を抱かせてもらい、楽しそうに笑ってる。



その横で微笑む、男の店員。







 『パチン』




「終了です。」





「…なぁ、あの店員、何か下心あるんじゃねーの? 普通、買わないって客に、遊ばせてやったりしないんじゃね?」




「さぁ、どうでしょう。」



ククッと笑った二宮。




「…何だよ。何で笑ってるんだよ。」




「…いえ。そうですね、失礼しました。」