「こんばんは。いよいよ最終日ですね。」



相変わらずの穏やかな口調で、二宮は微笑んだ。





「…だな。」



リモコンを手に取り、10番を押した。









街を歩いている彼女。


ある店のウインドウに視線を送ると、そこで釘づけになった。




『可愛いー…。』




そこはペットショップで、子犬がシッポを振り、元気に走り回っていた。




『おーい、こっちむいてよぉー。』



ガラスをコンコンと軽くつついた彼女は、くしゃくしゃの笑顔。





『中で、ご覧になりませんか?』



店員が声をかけてきた。