職場に戻り、デスクに座るとメモが貼られていた。




『佐藤香織様という方から、電話あり。折り返し、連絡してほしいとのこと。』



香織さんが… 俺に?



急いで携帯を開く。




呼び出し音が、やたらと長く感じる。





やべ… なんか緊張する。




そういえば、ちゃんと話すのは、里奈に告られてタクシーで送った日以来だ。






「もしもし?」



「あっ、佐藤です。良平です。」



「ごめんなさい、お忙しいのに会社に電話なんかして。今、大丈夫?」



「大丈夫です。」



「実は施設の物品のことで、良平くんに確認したい事があるの。ちょっと複雑だから、直接会って話したいんだけど。いつか時間とれる?」



「今週はいつでも、いいですよ。」