夕方になり、施設に向かった。



ある人影を見つけ、ササッと近寄った。



「お疲れさまです。」



「あ、お疲れさま。」




やっと香織さんの顔が見られた。



俺がホンワカした気持ちになってると、香織さんは俺の目の前に体温計を差し出した。





「えっ?」



「熱計って。顔色悪い。」



「だっ、大丈夫っすよ。」




抵抗してみたものの、強引に体温計は脇に差し込まれた。




 『ピピッ』




「んー、37.5℃かぁ…。」



体温計を見た香織さんは、ちょっと眉間にしわを寄せる。