朝日が窓から差し込んでいた。
小鳥たちの囀(サエズ)りが耳朶をくすぐり、深い眠りから覚醒させようと導く。
朝になり、畑仕事を始めようとしているのであろう人々の楽し気な話し声が窓の外から聞こえてくる。



「そうかそうか。そりゃぁいい!」


「とうとうあの子も嫁を見つけて来たのね」


「えぇ!?クロスお兄ちゃん、お嫁さん見つけて来たの?」


「そうよ。あとでご挨拶に行こうね」


「うん!」



窓に次々と影が映っては、一人また一人と通り過ぎて行く。

まだ覚醒しきっていない頭を持ち上げ、眠気と気怠さが残る体を起こした。

柔らかい感触に、自分がベットに寝かされていたことに気付く。
ご丁寧に着替えまでさせられていた。
彼女が身に纏っていた血塗(チマミ)れの破けた服は脱がされ、替りにキャミソール型のリボンとレースがこれでもかという程にあしらわれたネグリジェに身を包んでいた。
正直、趣味が悪いと思う。

普段の自分ならこういうデザインの服は選ばない。