転入生が席に着くためにこっちに向かって歩いてくる。 あたしの隣にきた瞬間、彼はあたしにしか聞こえない声で言った。 「久しぶり! 俺のコトおぼえてる?」 「えっ…」 なにこいつ? 「まだ君は思い出してないんだね。」 「えっと…」 「あっごめん。 今の気にしなくていいよ。 俺、桐谷翔。よろしく。」 「三上早苗です。よろしく。」