「・・・ごめん。」



俺は、ぽつり呟いた。




「へ? 何が?」




鋭い目。 香織は俺が今から言うことを分かっているようだ。




教卓の前に立っていた香織は、黒板の方に向きを変える。 まるで俺を拒否してるように後ろ向きになった。




「・・・・俺は、K高には行かんことに決めた。」




「へ? なんや〜!!そんなことぉ?」



俺はびっくりした。



あれだけ俺とK高を結び付けていた彼女が・・・・そんなことぉ? なんて返ってくるなんて信じられない。




でも、彼女に別れを告げるのは苦戦するだろう。




「じゃどこの高校受けるん? 近くやったら学校帰りデート出来るねっ♪」



後ろを向いていた彼女は振り返った。




え・・・・・・?





俺は心臓が止まるくらいびっくりしてしまった。






だって・・・・・・だって、






彼女は笑いながら泣いていたから。