「何で、こんなに大きいの?」
呆気に取られている私をよそに、お父さんとお母さんは玄関へと入って行った。
それにしても、何でこんなに、門から玄関までも長いのよ。
キョロキョロ見回しながら歩いていると、庭に池があるのが見えた。
「い、池まである…」
「ほら、由奈。早く来い」
思わず立ち尽くして見ていた私に、お父さんがインターホンを押しながら声をかけてきた。
「はぁい」
そういえば、門の所にもインターホンはあったけど、迷う事なく玄関に入ってきたよね。
お父さん、だいぶ慣れてるみたい…。
すると、しばらくして家族の人たちが、出迎えに出てきてくれた。
あの人が、婚約者…?
初めて見るその人に、私は思わず目を奪われたのだった。