「なんで…だよッ!!那月には関係ないじゃん!!」

心配してくれているのも知っている。
すごく、嬉しい。
 でも、那月にまで迷惑をかけたくはない。

「関係なくなんかない!!美菜が心配だし、美菜が落ち込んでいたらウチだって調子狂う…。美菜にとって『那月』って何?ウチにとって美菜は、血は混じっていないけど家族より深い関係だよ?!」

那月の言葉、1つ1つが心に染み込んでゆく。
 那月の励ましの言葉…こんなに嬉しいコト言ってくれるのは
家族にだっていないよ!那月だけだ…

「私も、那月は親友以上だよ…ありがとう。でも、私は那月に迷惑かけたくないの…」

「いいよ。授業ぐらい!!まずは美菜が優先!!分かった?!」

不思議だね。那月は授業とか休むと補習になって大変なクセに。
 那月の自信ある言葉には、勇気や元気を貰っちゃう。
那月…ゴメンね…今日だけは
私の我が儘を聞いてね。

「那月、私ね。那月のコト大好きだよ…」

「おえっ」

「何に?酷ーい那月!!」

「嘘ウソ!!美菜が笑ってくれるようにわざとだよ!!ウチも、美菜のこと親友以上に大好きだよ!!」

2人だけの屋上はとっても広くて、貸し切り状態だった。

何もないはずの屋上で、拾った『那月との友情』。決して簡単に崩れることのない。深く結び合わせた友情。

ずっと、ずっと大切にしたいと思った。
 だから、『加藤 海』との出会いを話したんだ。