「あのね。美菜。アイツが帰って来たんだ！！」
「へ？あ、うん。」
まさかとは
思ってみたものの、私の初恋の人が
帰って来ている事は
那月の耳にも入っていたらしい。
もしや。とは思うものの
私は、怖くて何気ない答えで済ませた。
「ねぇ。嬉しくないの？」
私の顔をジッと見つめてくる
那月。彼女の目は
まさに、獲物を狙う野獣の目だ。
実の所、Yesと答えられる勇気なんぞ
私には、全然ないが
私は、気を張って
「うん！超嬉しいよぉぉぉっ！！」
無茶苦茶、元気だけが取り柄の女子の様に
声を高らかにして、那月に向かって
笑って見せた。
「ところで。…ッ…。」
声を途中で
詰まらせる那月。
いつもは、強引に。かつ心のままに
質問してくる那月にしては
珍し過ぎる。
なんだろう？と
問いかけると、那月は
ﾓｼﾞﾓｼﾞしながら、質問してきた。
