そうして部長は渡来と俺を残して席を外した。

「えっと、青井さん!その、忙しいのにこんなこと頼んでしまってすいません!」

さっきの会話がきこえ渡来が頭を下げて謝罪してきた。

「別に気にすることないですよ。まだ右も左も分からないでしょうし」

一応フォローを入れてみた。そうしたら渡来は顔を上げて

「あ、ありがとうございます!」

「いいって、いいって。ええと、それじゃまずこのビルの案内でもしましょうか?」

「は、はい。お願いします」