[花]






「やばいっ!絶対遅刻だ!!」




あたしは服装に気を使いつつ、待ち合わせ場所へと急ぐ。



いや、別に服装はいいんだけどさ。




「はぁ…はぁ…」




あたしは息を整える。


待ち合わせ場所を見回しても、奴の姿が見えない。




「………?」


「誰かお探しですか?」




誰!?

と思ったのは、ほんの一瞬。




「あんたねぇっ」


「そんなに怒らないで下さいよ」




渡辺海斗が、笑顔で、背後に立っていた。