「翼クン大丈夫?」

 肩を押さえて帰ってきた翼に真仁が声をかける。

「大丈夫だって。そんなに深くないから」

 戒に促され、翼はホームの端でパイプイスに腰掛けた。

 服を脱がせ怪我の具合を確かめる。

「縫うぞ」

「ええっ!?」

 戒が手を差し出すと、仲間がソーイングキットをその手に乗せた。

「我慢しろ」

「うへぇ~」

 50度の酒に針を浸し、消毒している様子をげんなりして見つめる。