「翼!」 「いたた……だ、大丈夫。かすっただけ」 戒たちが着ているボディスーツは、正面からの衝撃には強いが横の擦れには弱い。 銃弾が走るほどの速度だと、やはり負傷は免れない。 戒はバンダナを取り出し翼の肩を強く縛った。 「……っ」 思わず小さく唸った翼に、戒は安心させるように目を合わせる。 <今回はここまでにしよう> 真仁の指示に戒たちは素早く退いた。