真仁からの通信を終え、戒は改めて目の前の死体の山を見つめる。
ディスプレイに折り重なるように表示されているクローンコード──乱雑に積まれた死体は、とても綺麗と呼べるシロモノではなかった。
コンクリートに接している死体はどれも野犬に食い荒らされ、見るに堪(た)えない状態だ。
「なんで見ちゃだめなのかなぁ」
見るなと言われた翼は、不満げにつぶやく。
ヘッドセットのディスプレイの表示で、どんな光景なのかは想像がつくというのに、いっぱしの扱いを受けていないようで眉を寄せた。
数分後、戻ってきた戒を確認し2人は真仁たちのいる地下に足を向ける。