店のシャッターは破られ、中の商品はことごとく奪われて散らばっている。

 武器が置いてあったのは店の奥、カウンター向こうにある扉を開けた先だ。

 きしむ扉をゆっくり開き、見えた景色に目を細める。

 当然のように武器は全て奪われ、床には血の跡がどす黒く染みを作っていた。

 この店はクローンを店員として使っていた、狙われないはずはない。

 人はどこまでも残酷(ざんこく)になれる事を、戒はよく知っている。

 自衛隊の特殊部隊にいた頃──仲間の数人が精神病棟に入った。

 まともにいられた自分に、自嘲気味に笑ったのを覚えている。