「──っ」

 戒は苦い表情を浮かべて周囲を見回す。

 確かに、1年前より空気は重くなっていた。

 肌に伝わるピリピリとした痺(しび)れは、緊張感からなのか、この場の気配からなのかを計りあぐねている。

 この先には武器屋があったと記憶している戒は、気配を配りつつ足を進めていく。

 表向きは雑貨店だが、その裏ではハンタードッグたちに武器を売っていた店だ。

「!」

 戒は、目に映った光景に少しばかり息を呑んだ。

「予想していた事とはいえ」

 やはり痛々しいな……とつぶやく。