扉の前で真仁と別れ、地上へ続く階段の突き当たりまで上る。

 そうして、先に地下に戻った真仁の合図を待った。

<OK、誰もいないようだ>

 ヘッドセットから響いた真仁の声に戒はリボルバーを、翼はオートマティック拳銃を右手に持ち、気配を探りながら駆け出した。

「離れるな」

「うん」

 真仁はカメラの映像から、2人を人のいない方向に誘導する。

 今回は空気を読む事と地形を肌で確認する事が目的であるため、戦闘はなるべく避けたい。

 戒のあとに翼が続く。

 外はすでに薄暗く、これから訪れる夜を伝える鳥の声が空に響き渡っていた。