ハンタードッグを辞め、モンゴルで1年を翼と共に過ごしていたが、確かにトレーニングを欠かす事はなかった。

 薄手の黒いボディスーツがなぞる体のラインで、それがよく解る。

「やらんと返って気持ちが悪い」

「まあ、習慣ていうのはそんなもんだよね。タバコは止めたようだけど」

「っ!」

 思わず、パンツのバックポケットに手を伸ばす。

 恋人の影響で吸い始めた無害タバコは、その彼女が死んでからも吸い続けていたが翼という新たな家族が出来た事で吸わなくなっていた。