それから、ノートパソコンをいじっている真仁を見下ろしつつ戒は、リボルバーの手入れを始めた。

 着ていたコートを脱ぎ、真ん中にあるレンコンの形をしたかたまりを横にスライド(スイングアウト)させ、弾薬(カートリッジ)をその穴に差し込んでいく。

 その姿を見ていた真仁は、呆れるように溜息を吐き出した。

「相変わらず君は歩く武器庫だね」

 そんな真仁の声に、戒は鼻を鳴らす。

 青年が呆れるのも無理はない──両足の太ももにはレッグホルスター(収納ベルト)にリボルバーが2丁(ちょう)、脇にはショルダーホルスターにリボルバーが1丁。

 腰の背後には、2つのバックサイドホルスターにオートマティック拳銃が2丁と、ナイフの柄(え)がちらりと覗(のぞ)いている。