「通信は毎回、違う暗号で発信される。問題はないだろう」

 ヘッドセットをいじりながら戒が発した。

「! なんで知ってるの?」

「それが基本だ」

 目を丸くしている翼に鼻を鳴らす。

 元自衛隊の特殊部隊に所属していた戒は、こういう機器に関してはエキスパートと言っていい。