それは、ただの人殺しに他ならない。

 血に染まった手を見つめる己の姿など、誰が良しとするだろうか。

「俺たちは自分のしてきた事を解っているからいい。だが、一時(いっとき)の感情でクローンを殺す事は間違ってる」

 怜は喉の奥で舌打ちした。

「政府は今の状態を収拾(しゅうしゅう)しきれず放置状態なんだ」

 真仁が説明を続け、ハンターたちは苦い表情を浮かべる。

「で、ボクたちは擁護派(ようごは)と呼ばれていてね。クローンを殺している人たちは強硬派(きょうこうは)と呼ばれているんだ」

「まさに二分(にぶん)された訳か」

 戒は低くつぶやいた。