「その中から優秀なクローンだけを見繕(みつくろ)い、大幅な成長促進をして男女の“つがい”にした。解るかな? 子どもを生ませたんだよ」

「!? まさか──」

「飲み込みが早くて助かる。それがボク」

 完璧な人間を造りたかったんだろうね、真仁は淡々と続ける。

「でも、そのクローンたちは無理な遺伝子操作と成長促進のために、ボクが10歳になる前に死んでしまったよ」

 その科学者はクローンたちを自分の息子や養女とし、真仁を孫として戸籍を作成していた。

「祖父である科学者は5年以上前に病気で死んじゃったけどね」

 科学者のスポンサーだった内の1人がそのまま真仁を引き取り、自由気ままに生活する事が出来た。