そんな男を真仁はいつもの微笑みで見つめ、つぶやくように問いかける。

「ボクのことが知りたいんだろ?」

 君のおかげで予想よりも早く収束しそうだから、ご褒美として教えてあげる。

 真仁は足を組み、デスクに片肘を突いた。

「──っお前は何者だ」

 驚愕(きょうがく)に目を見開き、ヘッドセットを外す。

 そこに映し出されていたものは、真仁に示されたコードだった。

 だがクローンではない、そのコードはクローンのものではなかった。

 じゃあ一体、何のコードなんだ?