「威力はあっても使えんか」

 水貴なら問題なく扱えるんだろうがな、と考えながらデザートイーグルを仕舞った。

 そもそも相手は今、ショットガンを持っている。

 こちらとしては反則に近い武器だ。

「どうした。ずっと隠れているつもりか?」

 水貴は己の体に自信がある。

 戒とは違って何も盾にする事なく、彼が隠れている壁に少しずつ足を進めた。

 ショットガンの銃身の下部にある部品をスライドさせ、不敵な笑みを浮かべる。

「戒っ!」

 翼はその光景を見つめるしかなかった。