「チッ……」

 戒は壁に身を隠し手のリボルバーを見つめる、こいつでは水貴の体に深い傷は刻めない。

 鍛え上げられた体に突き刺さる威力は……。

 腰の背後にあるオートマティック拳銃に手が伸びる。

 大きめのグリップはその威力の高さを示している。

 だが──戒は眉間のしわを深くした。

 威力が大きいという事はその反動も大きい。

 相手にしっかりと当てるためには、やはり今までよりも構えて引鉄(ひきがね)を引かねばならない。

 ヘタなハンター相手なら問題は無いが相手は水貴だ、その一瞬の間(ま)を見逃すとは思えない。