「ヘンタイ!」

「本当に突っ込まれたいか、ガキ」

 瞳を潤ませて叫ぶ翼に水貴は目を据わらせ、呆れたように低く言い放つ。

「そんな趣味なのか」

 意外だな、という声に口角を上げて振り向いた。

「逃げずによくも来た」

 水貴はショットガンを手に戒を見やる。

 そうして互いに見合い、何かの合図を待つように沈黙が続いた。

「──っ!」

 ふいに軽い音が2人の耳に届くと、戒と水貴は同時に武器を手に駆け出す。

 空に響く銃声は2人の力が互角だと示していた。