青年は応えずに、男を見つめて薄く笑みを浮かべた。

「ずっと不思議に思っていた」

 何故こんな企業に加担していたのか──他の組織と違い、ハンタードッグたちに苦しむような殺し方をどうして望まないのか。

「派手にしろ」とは言われていたが、

「苦痛をもっと与えろ」とは一度も言われた記憶が無かった。

「さて、なんのことかな?」

 真仁は薄笑いを浮かべて、ゆっくりとそう応えただけだった。