真仁が目の前にいる事に戸惑う戒を、男たちは制するように腕に力を込める。 「何故だ」 「解ってるだろ」 青年は静かに発し、戒を見つめた。 10mほどの距離は、近くも遠くも感じられて妙にもどかしい。 「翼か……彼には隠せなかったんだね」 愁いを帯びた笑みに溜息を乗せる。