「……」

 真仁は苦い表情を浮かべて、思案するように押し黙った。

「!? 真仁君、まさかきみっ」

 おもむろに立ち上がった真仁を見上げる。

「ごめんね、途中で投げ出すようなコトになって」

 老齢の男に愁いを帯びた笑みを浮かべた。

「!? まっ、待ちなさい!」

 出口に向かう真仁の背中に手を伸ばしたが、金属の扉は無情にも開かれた。