「真仁はクローンたちを殺さなかったんだね」

 翼は青年を見つめた。

「牧場は潰れちゃったんだし、殺す意味が無いだろ? それに、今いるクローンたちを何故、禁止したいからと殺す必要があるの」

 禁止はこれから作成するクローンだけにすればいい……真仁は声を低くして発した。

「例外だってあっていいハズだ」

 子どもの産めない夫婦には、希望を与えるものでもあるはずなのだから。

 真仁の言葉に、戒はしばらく沈黙していたが、ふいに口を開く。

「お前は初めから、こうなる事が解っていたのか」

「えっ!?」

 翼は戒の言葉に驚いて真仁を見やる。