翼は少しためらったが、目の前の料理に飛びつくように戸塚の隣に腰を落とした。

 サンドウィッチを手に取り、ほおばる翼の腰に手を回す。

「……」

 ちらりと戸塚を見やったが、気づかないフリをして食べ物にパクついた。

「戒にも持ってっていい?」

「いいとも」

 腰に手を回し、太ももをゆっくりとなで回す。

 翼は眉をひそめるが、目の前の食べ物の魅力には適わない。

「そんなに質素な生活をしていたのかね」

「ブロックフードばっかり」

 戸塚は鼻で笑った。

 そして、ソファの下に隠してあったボトルを取り出し翼の気を引くように揺らす。