そうして一際、豪華な扉の前で立ち止まった筒井は軽く扉を叩く。

「入れ」

 声のあとに扉を開き、翼を促す。

「何の用?」

 笑みを浮かべている戸塚に尋ねた。

「今何時だと思っているのかね。食事にしよう」

 その言葉に翼は目を輝かせた。

 リビングテーブルに乗せられている色とりどりの料理に駆け寄り、ジッと見下ろす。

「……凄い」

「好きなだけ食べていいんだよ」

 子どもに話すような口調でソファに腰掛け、翼にも座るように手を示す。