「すまん」

「ご、ごめん」

 ようやく準備を済ませた翼が苦笑いで戒に駆け寄った。

「行くぞ」

 仲間たちの後を追うように外に出る。

「! どうした」

 戒は路地裏で立ち止まった翼に振り返り、怪訝な表情を浮かべた。

「あのさ──」