ざわつく、会場・・・

びしょ濡れの男の乱入に
驚く、双方の組員達。

誰だ?

何事だ・・・?

雨に濡れた姿で俺は、両手で
顔を覆う、千景の前に
立ちはだかる。

そして、西村四柳を
見つめる。

その瞳に棲む、獣は目覚め
四柳を睨み付ける。

そんな俺の瞳、ギリギリに
倒れている男の姿が写る。

俺は、その男を知っている。

「お前、誰や?
 
 今頃、何しに来やがった
 抗争は、直に終わりやで
 
 ヒーローにでもなった
 つもりかいな、アハハ
 幾らなんでも遅すぎまっせ」

HERO・・・?

笑う、西村組の男達。