店内を覗くと、戦いが残した
傷痕が目につく。

怖気付くほど

おぞましい・・・

髪から垂れる雫、俺の視線の
ずっと先に、お前の姿が写る

お前は倒れる者達を蹴散らし
その中心に、華奢な体で
立っている。

俺には、見える

お前の中から、湧き出る朱血

お前の心は、きっともう
この現実に耐えられない。

生み出す者・女には
命を削る、傷だらけの
男達の姿は痛々しい。

お前は、肩を震わせている

そんな千景の肩を抱き寄せ
支える男がいる。

「うわ~」

悲鳴をあげ、顔を覆うのは
千景。