「チカゲが、今どこにいるのか
 知っていますか?」

「チカゲは今、・・にある
 老舗の料亭を貸しきって
 行われてる、西村四柳と
 組織との酒宴の場に戦争を
 仕掛けに行きました

 お願い、どちらさんが
 知りませんが、チカゲを
 止めたってください・・・」

涙する、千景の知り合いの
田辺という女性に、俺は
頭を下げて、病室を後にした。

どのくらいの時間が
過ぎただろう?

抗争は、どうなっている?

逸る心が刻む、鼓動の音に
重なるのは、降り出した
雨粒の音。

フロントガラスに叩き付けられ
奏でるその音は、どんどん
どんどん勢いを増し、俺の心
を掻き立てる。

揺さぶられる・・・

加速するスピード