祐が、帰ってしまう。

独りきりは寂しい。

気が付くと私は、ドアに手を
かける祐に駆け寄り、その
背中に抱きついていた。

「ちゃんと、組長に戻るから
 女を捨てるから、最後に
 抱いてくれへんか?

 ゲンを思い出して
 寂しくて堪らへん
 寂しくて死にそうや
 
 こんな私やったらあかん
 あかんねん

 私を、一夜だけ
 アンタのもんにして
 ・・・」

振り返る祐は、私を強く
抱きしめてくれた。

「なあ、忘れさせて・・・

 お願い」

「二代目、愛しています」

二人は、口づけを交わす。